5.神秘の世界に癒やされる

「ディロス鍾乳洞」のあるマニ地方の美しい入り江
ヨーロッパ屈指の洞窟群「ディロス鍾乳洞」

見事な石筍が見られる鍾乳洞として有名
それがピルゴス・ディロスの外れにある「アレポトリュパ」「カタフィギ」「ブゥリファダ」と呼ばれる3つの洞窟で形成された「ディロス鍾乳洞」。マニの美しい入り江に面したこの鍾乳洞は、1949年にペトロキオス夫妻が偶然発見した洞窟群で、見事な石筍が見られる鍾乳洞として知られている。その一つである「アレポトリュパ洞窟」は、ギリシャの切手の絵柄に採用されたことがある。
ギリシャ南部で発見されている旧石器時代の住居跡は少ないが、アレポトリュパ洞窟からは先史時代のものと見られる土器や武器、人骨などが発見されており、紀元前6000年頃からこの地に人が住んでいたと考えられている。
気分はあの”川口探検隊”???
そんな考古学的にも価値のあるディロス鍾乳洞は、ちょっと変わったユニークな方法で洞窟内部の見学ができる。
それは洞内の一部が海水に浸かっているため、その部分を案内人の漕ぐボートに乗り込んで移動・見学するというものである。
チケットを購入しゲートをくぐると、まず手渡されるのが救命胴衣。これを着用したら、地下にあるボート乗り場へ。そこで数名ずつボートに乗り込み、洞内を見学しながら移動する。さながら「川口探検隊」、いやお若い方には某テーマパークの人気アトラクション「〇〇〇の海賊」のよう、といった方が分かり易いかもしれない。なんとこのボートでの様子はカメラで撮影され、洞窟の出口付近で販売。旅の記念に、買って帰ることもできる!
ディロス鍾乳洞の長さは、調査が完了しているところだけも約14キロあり、うち1.5キロのみが観光用に公開されている。途中、水が引いた場所にまで辿り着いたらボートを下り、そこからは階段を上って出口まで徒歩での見学となる。見学に要する時間の目安は、ボートでの移動が約20分。その後は歩く早さにもよるが、10分程度を見積もっておくと良いだろう。あとそれに、入場までの待ち時間が加わる。
このディロス鍾乳洞は、白だけでなく、カラフルな鍾乳石や石筍が見られるのも大きな特徴。あまりにもの美しさに思わず手を伸ばしたくなるが、ここに限らず鍾乳石に触れるのは御法度! ルールをしっかり守り、ヨーロッパ屈指の鍾乳洞探検を楽しんでみよう!


左:まず最初に鍾乳洞の入口で、安全のためライフジャケットが手渡される
右:ライフジャケットを付けたらボートに乗っていざ鍾乳洞探検へ!
【 クイック・ナビ 】
・ インデックス
・ 日本からギリシャへ
・ ペロポネソス半島の世界遺産
・ ビザンツ時代の面影を求めて
・ 地中海の恵みに舌鼓
・ 神秘の世界に癒やされる
・ ナフプリオの風に吹かれて
・ メッシニアのエコリゾート
・ ペロポネソス半島 ねこ旅
【 エリア&スポット 】
・ ミケーネ遺跡
・ エピダウロス野外劇場
・ オリンピア遺跡
・ オリンピア考古学博物館
・ ミストラスの考古遺跡
・ モネンヴァシア
・ ネメア
・ スパルタ
・ マニ半島
・ ディロス鍾乳洞
・ ナフプリオ
・ ナフプリア・パレス
・ メッシニア
・ コスタ・ナヴァリノ
・ アナゾエスパ
【 取材協力 】
駐日ギリシャ大使館
ターキッシュ エアラインズ
アンフィトリオン・ジャパン