6.港町ナフプリオの風に吹かれて
ギリシャ独立戦争の舞台、ナフプリオ
ペロポネソス半島東北部のアルゴリスに、世界遺産の「ミケーネ古代遺跡」や「エピダウロス野外劇場」への観光拠点として便利な港町、ナフプリオがある。
ここは古代アルゴリスの中心だった町。「ナフプリオ」という名は、ポセイドンの息子ナフプリオスに由来すると言われている。とりわけ旧市街の美しさには定評があり、南国の雰囲気が漂う、のんびりとした静かな港町である。
町のシンボルは、アルゴス湾に浮かぶ島「ブルジイ」と、高台に聳える砦「パラミディ」。いずれも17世紀末、ナフプリオを支配したヴェネツィア人が、オスマン帝国からの防衛を目的に築いたものだ。14世紀から18世紀にかけて繰り返された、オスマン帝国との戦いの過程で要塞化された。
ギリシャ独立戦争においては、ナフプリオはオスマン帝国の要塞となったが、将軍テオドロス・コロコトロニスが、1年におよぶ籠城戦の末に奪還。そして1829年には、このナフプリオが独立ギリシャ初の首都となった。
ところが、1831年10月9日にギリシャの初代大統領となったイオアニス・カポディストリアスが、ナフプリオにある聖スピリドン教会で暗殺。その翌年、ビザンツ皇帝の血を引くバイエルンの王子オットーが、「オソン1世」として即位することとなったが、ナフプリオにはそのまま1834年まで首都が置かれた。
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「そんな血なまぐさい話は、とうの昔に忘れた」とでも言わんばかりに、夕日に照らされ煌めくナフプリオの海。ここからは、そんな穏やかで美しいアルゴス湾やナフプリオの街並みが一望できる、とっておきのホテルをご紹介することにしよう。
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