長期滞在に最適な町インスブルック
晴天率はアルプス随一! 夏は涼しく冬の寒さもマイルドで、治安も安定。気候・インフラ・地理的条件のすべてを満たすインスブルックは、国内外からの観光客に人気のホリデー・デスティネーション。そこでお勧めしたいのが、インスブルックで暮らすような旅が楽しめる長期滞在である。
エスプレッソを味わいに、ちょっとイタリアまで
古くからドイツとイタリアとを結ぶ宿場町として栄えたインスブルック。イン川の畔に広がるこの町は、小さいながらもコスモポリタンとしての長い歴史を持つ。そのため異国の文化に寛容で、気さくでフレンドリーな人が多く、とにかく居心地が良い。
もちろん、市内にあるすべての博物館や公共交通機関、ロープウェイやケーブルカー、リフトなどが無料になる「インスブルックカード」をフルに活用した街歩きも楽しい。
コングレス駅からハイブリッド・フニクラー鉄道「フンガーブルクバーン」と、ロープウェイの「ゼーグルーベバーン」と「ハーフェレカーバーン」を乗り継いで到着するハーフェレカー(標高2342メートル)の展望台へと行き、眼下に広がるインスブルックの町を一望していると、先の方に一本の橋が見える。
これはオーストリアとイタリアを結ぶ橋で、国境まで町の中心部からたったの40分。そのためインスブルックを起点にすると、本場のエスプレッソを飲みにイタリアまで、ふらっと出かけることもできる。
イタリアに限らず、ドイツやスイスも目と鼻の先。ホテルにスーツケースを置きっぱなしにして、気ままに隣国の町まで日帰りで出かけられる町は、そう多くはない。
日本人も快適なインスブルックのホテルやレストラン
そんな長期滞在に最適なインスブルックだが、意外にもアパートメントタイプの宿泊施設が少ないため、短期長期に関わらずホテルが主たる滞在先となる。
「グランドホテル・ヨーロッパ」は、インスブルック中央駅の前にある5ッ星ホテル。繁華街にも近く、また鉄道移動を含む滞在にも快適で便利なホテルである。イタリア人の宿泊客も多く、ロビーやレストランなど至るところでイタリア語が聞こえてくる。
とはいえ、豊富なハムやソーセージ、チーズに卵料理、サラダ、フルーツ、ヨーグルト、そしてパンの数々は、朝食をしっかり取りたい日本人にも大満足の内容で、休暇気分を贅沢に味わうならシャンパン・ブレックファーストも楽しめる。
シンプルで上品な客室も使い勝手が良く、何より滞在中の部屋の清掃も、日本人も満足のいく完璧なまでの仕上がり。聴くところによると、これはインスブルックに拠点を置く「ジャパン・チロル・コーディネーション」(以下、JTC)の働きによるものだという。JTCでは「テーマ旅行」や「教育旅行」「長期滞在個人旅行」などの企画・手配に力を入れており、日本人観光客を誘致するために市内の各ホテルを巡り、日本人でも満足するサービス内容を細かく伝えた上で、ホテル側の協力を仰いでいるそうだ。
JTCのこうした活動はホテルだけに止まらず、町の中心部にあるレストランに、日本人の個人旅行客でも安心してチロルの美味しい食事が満喫できるよう、日本語メニューを置かせてもらったりしている。
もちろん、市内の全店にそうした日本語メニューが置かれているわけではないが、ドイツ語も英語もチンプンカンプンというツーリストにとって、これは何とも有り難いサポートに違いない。
ヨーロッパで日本人のための観光インフラがここまで整うのは、インスブルックが一番のような気がする。
Grand Hotel Europa Innsbruck |
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次回は「レイルジェットに乗ってインスブルックからザルツブルクへ」
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