02. ハンガリー伝統の味覚

掲載日 : 2016年05月13日

写真 : 筆者撮影

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フーシュレヴェシュ

肉と野菜を煮込んだ「フーシュレヴェシュ」


伝統のサンデーブランチを召し上がれ!「フーシュレヴェシュ」

ハンガリーには、日曜の午前に家族揃ってサンデーブランチを食べる習慣がある。その時に食べられているのが、肉のコンソメ「フーシュレヴェシュ」である(写真上)。

野菜と牛肉をじっくり煮込んだこのスープには、素麺のような細い麺やショートパスタが入ているが、家庭によっては生タマゴの黄身を落とすこともある。また、スープの出汁を取り終わった肉を、塩やホースラディッシュなどで味付けをして、前菜として食べられることもあるのだという。

塩気はそれほど強くなく、さっぱりとした優しい味わいで、一口食べるごとにジワーっと全身にスープが染みわたるような感覚がする。確かにゆったりと1日をスタートさせたい日曜の朝には、うってつけの1品である。

この「フーシュレヴェシュ」と一緒に食べるのが、「チョントレヴェシュ」という骨のコンソメを作る時に使った牛骨の髄。家庭では、これを自分でパンに塗って食べるそうだが、今回の食べたお店ではすでにパンに載せられた状態で運ばれてきた。

こちらはビールが合う、特に男性受けが良さそうなガツンとした味わい。もちろん、お酒好きの大人女子にもたまらない珍味で、パカパカと口に運びたくなる美味しさだ。


牛骨髄  ミルクパイ

左:ハンガリーの伝統的な珍味「牛骨髄」 食べる時は外側の骨を外して頂く
右:パラチンタの皮が残った時に作られたという大平原地方の名物「ミルクパイ」



さて、こんなほっこりとしたブランチのデザートに頂きたいのが、伝統の「ミルクパイ」(Tejespite)。これは大平原地方に伝わる焼き菓子で、貧しい人たちがその昔、パラチンタの残りの生地で作ったそうだ。上に粉砂糖とアンズのジャムがまぶしてある。

ハードな焼きプリンとも、タルトとも、パイとも言い切れない何とも不思議な食感だが、予想より甘さは控えめ。どこか懐かしさが感じられる、クセになりそうな味わいである。こちらは伝統的なサンデーブランチのメニューではないが、機会があったら是非ご賞味頂きたい。
 

次回は「ブダペスト市民の胃袋を支える中央市場
 

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