2.ペロポネソス半島の世界遺産

掲載日 : 2016年02月04日

写真 : 筆者撮影

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獅子の門

ミケーネ古代遺跡 (世界遺産)にある「獅子の門」



「偉大なる田舎」 ペロポネソス半島へようこそ

「黄金に富むミケーネ」と謳われたミケーネ文明の遺跡

エーゲ海とコリンティアコス湾とを結ぶ「コリントス運河」

エーゲ海とイオニア海を結ぶ
「コリントス運河」

エーゲ海とコリンティアコス湾を結ぶ人工の峡谷「コリントス運河」を境に、ギリシャの南部に広がるペロポネソス半島。面積は、国土のおよそ6分の1にあたる約2万平方キロメートル。古代からの悠久の歴史や世界的にも貴重な遺跡が点在し、神話の故郷にして、数々の世界遺産をも抱くギリシャの「偉大なる田舎」である。


ホメロスの叙事詩で「黄金に富むミケーネ」と謳われ、高度な青銅器文明を持った古代都市「ミケーネ」が、ペロポネソス半島北東の平野部アルゴリスで栄えたのは、紀元前16世紀から紀元前12世紀にかけてのこと。さらにミケーネにおける人の居住の歴史に至っては、遥か新石器時代の西暦前30世紀頃にまで遡る。

1876年、シュリーマンにより発掘が進められた世界遺産(1999年登録)の「ミケーネ古代遺跡群」からは、黄金のマスクなどの金製品が多数出土している。また、王宮跡には巨大な石造建築物「獅子門」をはじめ「円形墳墓」や「王室」「アトレウスの宝庫」などが見られる。


医神アスクレピオスの神域、エピダウロス

同じアルゴリスに栄えた古代都市エピダウロスからおよそ7キロ離れた山中に、ギリシャで最も保存状態が良いとされる世界遺産(1988年登録)の古代劇場「エピダウロス野外劇場」がある。

ここは医神、アスクレピオスの神域。エピダウロスでのアスクレピオス崇拝は、紀元前6世紀のアーケイック期にまで遡る。ピークを迎えた紀元前4世紀には、医療施設の他にも体育訓練所の「ギムナシオン」から図書館、患者のための宿泊所や大浴場まで揃う一大メディカルセラピー施設があった。そして、神託や病気の治癒を求める巡礼者たちが、ギリシャ各地からこの地に続々と集まってきた。

Epidavros5

抜群の音響効果を誇る「エピダウロス野外劇場」

この場所に劇場があるのは、その当時から「音楽」もセラピーの一つと考えられていたため。この地を訪れた人々は、治療を受けながらこうした施設を活用し、心身のリフレッシュを図った。
古代にはここで、スポーツと音楽の祭典「アスクレピエイア」も、4年おきに開催されていた。

山の斜面を利用して建てられた「エピダウロス野外劇場」の大きさは、直径が約120メートル。22.5メートルの高さに55段あり、およそ13,000人が収容できる。抜群の音響効果を誇る劇場としても知られ、音の反響にとって悪条件となる雨がパラつく中、舞台の中心で1円玉が地面に落ちたかすかな音さえも、劇場の隅々にまで響き渡る。

一般に古代劇場と聞くと「円形」のイメージが強いかも知れないが、円形劇場はローマ人が人と人、もしくは人と野獣などを格闘させる目的に建造した闘技場で、このエピダウロス野外劇場に見られる「半円形」こそがギリシャ本来の様式である。実際イタリアでは、芸術の鑑賞を目的としたこの様な半円形の劇場を「テアトロ・グレコ」(=ギリシャ劇場)と呼び、闘技目的の古代円形劇場とは明確な区別をしている。


歴史の1ページに「日本」が刻まれたエピダウロス野外劇場

その昔、伝説のソプラノ歌手マリア・カラスが歌ったことでも知られるこの聖なる舞台に2015年、日本人として初めて立った人物がいる。それが人間国宝の能楽師、梅若玄祥氏である。同氏は、1954年からここで毎年、夏に開催されている演劇の祭典「エピダウロス フェスティバル」に招かれ、新作能『冥府行~ネキア』を披露した。

同作品は、ホメロスが手掛けた古代ギリシャの長編叙事詩『オデュッセイア』の第11章『ネキア』を原作にしたもので、構成と演出はギリシャを代表する演出家のミハイル・マルマリノス氏が、また作曲や節付、振付は梅若氏が担い、ギリシャと日本の共同制作で完成した。

これは、両国の友好の絆をさらに強めるきっかけとなったことはもちろん、悠久の時を刻むエピダウロス野外劇場の歴史に「日本」が刻まれた、歴史的な出来事でもあった。
 


Mykenes5  「エピダウロス野外劇」"

左:シュリーマンが発見した竪穴式の墳墓からは、純金をあしらった宝飾品が多数発見された
右:人間国宝の能楽師、梅若玄祥氏も2015年に日本人として初めて舞台に立った世界遺産「エピダウロス野外劇場」



近郊のお勧めホテル(ナフプリオ)
Amphitryon-Hotelアンフィトリオン ホテル ☆☆☆☆☆ 

少し急ぎ足でアテネからの日帰り観光も可能な「ミケーネ遺跡」や「エピダウロス野外劇場」だが、落ち着いてじっくり遺跡観光を楽しみたい方にお勧めの滞在拠点が、ギリシャでも屈指の美しさを誇る港町ナフプリオ。市内中心部にあるアンフィトリオン ホテルは、ナチュラルな色調でまとめられたスタイリッシュな大人の隠れ家のようなホテル。ラグジュアリースイートにはジャグジー、スチームバス&シャワー、32インチのプラズマテレビが完備されている。Wi-Fi無料。右の写真はスーペリアルーム。

AMPHITRYON HOTEL/Ξενοδοχείο AMΦITPYΩN

客室数

全45室(スイートを含む)

住所

Spiliadou St., 211 00, Nafplion

ウェブサイト

http://amphitryon.gr


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