6.港町ナフプリオの風に吹かれて
遺跡の中のラグジュアリーホテルに泊まる
「ナフプリア・パレスホテル」は、ギリシャ屈指の美しさを誇る港町ナフプリオのアクロナフプリア要塞跡に建つラグジュアリーホテル。ギリシャで唯一、遺跡の中に建てられたホテルで景観を崩さない、日干しレンガを積み上げた古代ギリシャの建築様式の外観が印象的だ。ウォーターフロントにある「アンフィトリオン ホテル」の姉妹ホテルでもある。
客室は本館に51室。その他、それぞれデザインの異なるヴィラが33室ある。広々としたホテルの敷地からは、穏やかなアルゴス湾やナフプリオの街並みが一望できる。日没後には、美しい夜景を眺めながら地中海料理が味わえる、ロマンティックなレストランも別棟で営業している。駐車場やヘリポートも完備されている。
ホテルの正面玄関までは、遺跡の城門を抜けてたどり着くこともできるが、少し遠回り(しかも坂道!)となるため、海際から坂を少し上った場所にある、無機質な入口の先から続くエレベーターを利用する(車の場合は旧市街により近く、乗り降りがし易い後者の入口につけられる場合がある)。
今回ホテルにご提供頂いたのが、個性的なデザインが自慢というヴィラの1室。リビングルームとベッドルーム、それにバスタブが2つ並んだバススペースが繋がる「エグゼクティブクラブ・ルーム」だ。
この部屋には、その他にも大理石を敷き詰めたシャワーブース、ウォークイン・クローゼット、外にはアルゴス湾を一望する広々とした専用バルコニー付というラグジュアリーぶりで、朝になると大きな窓から差し込むエーゲ海のキラキラとした太陽の光で、室内が満たされた。
この部屋の内装は白が基調。シンプル過ぎるほどさっぱりとした部屋なのに、不思議と味気なさは全く感じられない。ナチュラルでバランスが良く、しかも機能的。そこからはギリシャ人の美的センスの良さが窺える。
恐らく白の使い方は、ギリシャ人が世界で一番得意とするところであろう。日本人のデザインでは、きっとこうはならない。
リビングにある長椅子に目が留まった。エジプトの影響を受けた古代ギリシャ人は、こうした長椅子を愛用していたという。ただエジプトと異なるのは、休息の時だけでなく、寝そべりながら食べたりもしていたため、背もたれの高さがテーブルと同じ、もしくは少し低めの位置にあるのだとか。
そういえば、女性を描いたレリーフや絵画でよく目にするアームのない、美しい曲線を描いた背もたれのある椅子「クリスモス」が登場したのも古代ギリシャ。そんなことを考えていたら、ギリシャ家具やインテリア、デザインがどんどん気になり始めてきた。
■ ナフプリア・パレス ホテル&ヴィラ ☆☆☆☆☆
Nafplia Palace Hotel & Villas
客室数 | 全84室(デザイン・ヴィラを含む) |
---|---|
住所 | Akronafplia, 21100 Nafplio |
ウェブサイト |
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