1. 小さな大国、スロヴェニア ~ 大帝国を支えた誇り高き国民
ヨーロッパの中心に位置するスロヴェニアは、オーストリア、イタリア、ハンガリー、クロアチアと国境を接する小さな国だ。首都はリュブリャナ。日本の四国ほどの面積に200万人が暮らしている。「カーネーションの国」としても知られている… (2012年3月5日掲載)
赤、黄色、オレンジ、緑…
幼い頃、カラカラと音をさせて振ったドロップ缶から飛び出した、いろんな味の飴を口にしてはよく心をときめかせた。
旅をしていてそんな懐かしさを思い起こさせてくれる国がある。それが中央ヨーロッパ、ユリアン・アルプスの裾野に広がるスロヴェニアだ。
この国の人口はわずか200万人。その美しさから「アルプスの真珠」と称されている。日本の四国ほどの面積しかないこの小国は、周囲の大国の影響を強く受けながら多様性に富んだ文化を育んできた。
かつては旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国に属していたが、わずか10日間の交戦でいち早く独立。その後、旧社会主義諸国の中では最も高い水準で、2004年にEUに加盟を果たした。
そして近年は、その肥沃な大地と豊富な観光素材で、日本でも新たな観光ディスティネーションとして、またエコな国として注目が高まっている。
スロヴェニアのキャチコピーは「I feel sLOVEnia」。人にも環境にも優しいこの「ラブの国」を一緒に旅してみよう。 (Photo/Report: Mari Wakai)
ヨーロッパの中心に位置するスロヴェニアは、オーストリア、イタリア、ハンガリー、クロアチアと国境を接する小さな国だ。首都はリュブリャナ。日本の四国ほどの面積に200万人が暮らしている。「カーネーションの国」としても知られている… (2012年3月5日掲載)
スロヴェニア、特にリュブリャナへの理解を深めたいのなら、頭の片隅に入れておきたいのがスロヴェニアが生んだ二人の偉大な芸術家、ヨジェ・プレチェニクとフランツェ・プレシェーレンの存在だ。ヨジェ・プレチェニクは、リュブリャーナ生まれの建築家兼シビル・アーキテクト… (2012年3月5日掲載)
豊かな自然に恵まれたスロヴェニア。その緑の多さには空港からリュブリャナ市街へと向かう車窓からも驚かされる。そんなスロヴェニアで近年、積極的な取り組みがなされているのが環境対策だ。2011年には、欧州環境機関の本部がリュブリャナに移された。… (2012年3月5日掲載)
スロヴェニアの首都であるリュブリャナは、サヴァ川へとつながるリュブリャニツァ川の河口に広がる人口わずか30万人のかわいらしい都市だ。スロヴェニアが国名には「LOVE」という文字が入っていることから「ラブの国」と言われているが… (2012年3月12日掲載)
リュブリャナの歴史は「エモナ」という街が築かれた遙かローマ帝国時代にまで遡るが、最初に歴史の舞台に登場したのはリュブリャナ城が1144年のことだ。当時はまだドイツ語でライバッハと呼ばれていた。リュブリャナが最初の黄金期を迎えたのは、州都となった… (2012年3月14日掲載)
ルネッサンス、バロック、そしてアールヌーボー様式が混在するリュブリャナ。旧市街は車輌の出入りも制限されていて歩きやすく、散策にもってこいだ。そこで、「肉屋の橋」の近くにある旧市街の大聖堂から、途中お土産探しでもしながら街歩きを楽しんでみることにしよう。… (2012年3月16日掲載)
国土の半分近くが石灰岩でできたカルスト台地で覆われているスロヴェニアには、大小取り混ぜ1万以上の洞窟があり、スロヴェニアは世界で初めて洞窟観光を始めた国と言われている。その中でも特に有名なのが、スロヴェニア南西部の地底に広がるポストイナ鍾乳洞… (2012年3月20日掲載)
ポストイナ鍾乳洞から直線にして約9キロ、チロルの村を想像させるようなのどかな田園風景が広がる場所に、岩に飲み込まれたような「プレドヤムスキ城」がある。背後の岩山の高さは120メートル。ヨーロッパに現存する唯一の洞窟城だ。城の建築が始まったのは… (2012年3月23日掲載)
スイスやオーストリアの反対側にある「ユリアン・アルプス」は、スロヴェニアでは陽の当たるアルプス「サニー・アルプス」と呼ばれているが、そこにスロヴェニア随一の観光名所「ブレッド湖」はある。氷河が溶けて湧き出たこの湖は、「アルプスの瞳」という愛称で… (2012年3月26日掲載)
国土の60パーセントが森に覆われているスロヴェニアは、蜂蜜天国と呼ばれている。養蜂家の数は8,000人。つまり、この国では250人に1人が養蜂家という計算になる。スロヴェニア養蜂の歴史は600年前にまで遡る。世界最初の養蜂研究家… (2012年3月30日掲載)
ブレッド湖から約20キロの場所にあるボーヒン湖は、スロヴェニア最大の氷河湖だ。ほとんど波立つことのないエメラルドグリーンの湖面には、晴れた日には優美なユリアン・アルプスの姿が映し出される。その昔、ここで休暇を過ごしたアガサ・クリスティは… (2012年4月3日掲載)
ボーヒン湖から約3キロの場所にあるスツッドルは、「コゾルツー」と呼ばれる伝統的な建物で知られているボーヒン最古の村だ。ユリアン・アルプスの原風景が残るこのエリアでは、アグリツーリズモを提供している農家がたくさんある。… (2012年4月5日掲載)
リュブリャナの西、ゴリシュカ地方の山間にあるイドリヤは、かつて水銀採掘で繁栄した町だ。その歴史は水銀が発見された1497年にまで遡り、1580年には政府により本格的な採掘が行われた。鉱山は通年稼働し、初期の頃には1日約12時間の労働が坑夫らに… (2012年4月8日掲載)
スロヴェニア西部にあるイストラ半島は、アドリア海の奥に位置する三角形の半島。その一角、ピラン半島の先端に位置し、トリエステ湾の一部であるピラン湾に面した小さな港町ピランだ。ピランという地名は、イストラ沿岸のローマの町… (2012年4月11日掲載)
イストラ半島の文化遺産といえば、やはり第一に挙げられるのが「塩作り」だろう。ヨーロッパでは先史時代から塩が使われていたことがわかっているが、中世以前から塩は当時は塩を「白い黄金」と呼び、金と同等の価値で取引していた… (2012年4月11日掲載)
ピランから南へ10分ほど車を走らせると、ポルトローシュという町にやって来る。この町はかつて、ベネディクト修道院の修道士たちが海水と塩を使って病気を治癒した保養地として栄え、現在は優雅なホテル、レストラン、高級ブティックなどが… (2012年4月14日掲載)
これまでざっとスロヴェニアの見どころを紹介してきたが、忘れてはならないのが食だろう。スロヴェニアには「人は食なり」という諺があるが、スロヴェニアでは芸術や文化と同様、食においても豊かな文化が… (2012年4月16日掲載)
「酒を知らずして、その国の美食を語るべからず」豊かな食文化が育まれた国には、必ずといっていいほどその影に美酒が存在する。もちろん、スロヴェニアも例外ではない。ということで、ここではスロヴェニアの代表的なお酒、ワイン… (2012年4月18日掲載)
今回の取材のルートからは外れるが、今年スロヴェニアでは大きな注目イベントが開催されているので、最後にそちらをご紹介しておこう。マリボルは、東西にドラヴァ川が流れるスロヴェニア第2の都市。
そのマリボルと周辺の5都市が今年、スロヴェニア初となる… (2012年4月18日掲載)