歴史ある文化都市、リュブリャナ

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多くの人が行き交う三本橋


 プレチェニクと3つの橋


スロヴェニアの首都であるリュブリャナは、サヴァ川へとつながるリュブリャニツァ川の河口に広がる人口わずか30万人のかわいらしい都市だ。スロヴェニアが国名には「LOVE」という文字が入っていることから「ラブの国」と言われているが、このリュブリャナという地名もスラヴ語の「リュビチ(ljubit’)」に由来し、「愛すべき」という意味を持っている。

長くハブスブルク家の支配下にあったリュブリャナは「小さなウィーン」とも呼ばれ、リュブリャニツァ川沿いには気持ちの良さそうなテラス席のあるカフェが軒を連ねている。途中、こうしたカフェで休憩しながら、のんびり川沿いを散歩するのも良いだろう。

このリュブリャニツァ川には3つの有名な橋がある。その中でも最も往来が多く、リュブリャナのシンボルにもなっているのが、旧市街と新市街を結ぶ「三本橋」だ。
かつてこの場所には木造の橋が架けられていたが、1657年の火災で消失。その後、橋は再建されたが、1842年にはイタリア人の建築家ジョバンニ・ピッコ設計の石のアーチ橋に取り替えられた。1930年代に建築家、ヨジェ・プレチニクの設計により、歩行者専用の橋がこの石橋の両側に付け加えら、現在の形になった。

この三本橋から中央市場に向かって歩いていくと、その手前に見えてくるのが「肉屋の橋」だ。橋の下にはリュブリャニツァ川遊覧ボート乗り場があり、袂にはギリシャ神話に出てくる神々とか、アダムとイヴの失楽園を描写した芸術的な(見ようによっては、ちょっとエイリアンのような・・・)オブジェがあるのですぐわかる。

    

肉屋の橋にあるオブジェ/恋人たちが括りつけた南京錠/カエルのオブジェにも南京錠


この橋はプレチェニクが設計したものの、着手することなく亡くなってしまったことから、長年「幻の橋」と言われていたが、構想から100年を経た2010年に完成したそうだ。
プレチェニクはもっとローマを思わせるようなものをデザインしたというが、完成したこの橋を見た時は天国のプレチェニクもさぞかし驚いたことだろう。

橋の両脇はガラス張りになっていて、下が見下ろせるようになっている。そして、両脇の手すりにの上にもカエルや貝殻のオブジェ、その下の橋に張られたワイヤーには南京錠。どうやら夜になるとカップルが南京錠を片手に現れ、二人でワイヤーに鍵を括り付けたら、川に鍵を投げ込んで帰っていくらしい。
こうした場所は世界各地にあるが、なにせここは「ラブな国の愛のある街、リュブリャナ」。かなりの御利益が期待できそうだ。

竜の橋

この肉屋の橋から中央市場の横を歩いていくと、「リュブリャーナ城」への途上口に3つ目の有名な橋「竜の橋」がある。これもプレチェニクの作品だ。

1895年のリュブリャーナ大地震によって崩落した旧・肉屋の橋の代わりに、リュブリャナ市長イヴァン・フリーバルの任期中に建てたリュブリャーナ初の鉄筋コンクリートの橋で、1901年に開通した。

当初は、オーストリア=ハンガリー帝国のオーストリア皇帝、およびハンガリー国王であったフランツ・ヨーゼフ1世の即位40周年を祝賀する意味を込めて「祝賀橋」と命名されたが、欄干がリュブリャナ市の象徴である「竜」の像で装飾されていることから、竜の橋と呼ばれるようになった。この竜の紋章はマンホールにも使用されている。


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