歴史ある文化都市、リュブリャナ

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旧市街の街並み


 テーマはさまざま、リュブリャナ街歩き


ルネッサンス、バロック、そしてアールヌーボー様式が混在するリュブリャナ。旧市街は車輌の出入りも制限されていて歩きやすく、散策にもってこいだ。そこで、「肉屋の橋」の近くにある旧市街の大聖堂から、途中お土産探しでもしながら街歩きを楽しんでみることにしよう。

大聖堂内部

「聖ニコラス大聖堂」とも呼ばれるリュブリャナ大聖堂は、1262年に建てられた青いドームが印象的な街のシンボルだ。当初はロマネスク様式で建てられたが、幾度となく火災に見舞われ18世紀初頭にバロック様式に建て替えられた。

正面のブロンズ製のドアは意外にも新しく、1250年間におよぶスロベニアのキリスト教の歴史がスロヴェニア出身の著名な彫刻によって描れた。また、側面には1996年に当時のローマ法王、ヨハネ・パウロ2世の来訪を記念して制作された扉がある。

聖堂内部に描かれた、イタリアの画家ジュリオ・クァリオの鮮やかなフレスコ画が美しい。大聖堂は12時から15時までクローズされるが、ミサの時間帯も内ドアの外側からであればガラス越しに見学ができる。スロヴェニアの朝は意外に早い。もし朝一で散策を開始できるようであれば、大聖堂まできたついでにすぐ近くのリブリャース中央市場へ足を運んでみると良い。スロヴェニアのまた違った素顔が見えてくるはずだ。

さて、大聖堂を後にしたら時計台のある市庁舎を目指して、旧市街の目抜き通り(MESTNI TRG)を歩いてみよう。
この辺りから市庁舎の少し先まで、ショップやレストランといった店舗が軒を連ねている。ウィンドウショッピングを楽しみながら、最近日本でも密かなブームになってきているスロヴェニア特産のハチミツや塩、オシャレな工芸品などを探してみるのも楽しい。

スロヴェニアで唯一の国産陶磁器

ウィンドウをのぞき込みながら歩いていたら、円形噴水の少し手前で思わず目を奪われたものがあった。それは白を基調とした何とも優美なな陶磁器。
聞くところによると、これはスロヴェニアで唯一の国産陶磁器で、スロヴェニア人の夫婦が手作りで製作をしているのだという。
名前は「CATBRIYUR」。最初のCATは奥さんの名前のkatja (カティヤ)の略、BRIは二人の名字、最後のYURはご主人の名前からとったそうだ。夫婦が肩を並べて磁器作りに励む仲睦まじい姿を想像したら、 ほっこりと心が温まってきた。

再び歩き始めると、市庁舎の手前に見えてくるのが「円形噴水」。バロック期の有名な彫刻家フランチェスコ・ロッバが手がけたこの噴水は大理石で作られていて、スロヴェニアの3本の川「クランスカ」を表している。市庁舎の地下にはもう一つ、このロッバが制作したナルシストの語源となった美少年「ナルキッソスの噴水」もあるので、興味のある人は立ち寄ってみると良い。市庁舎は、後期バロック様式と古典様式を組み合わせた作りになっている。

この市庁舎の手前で曲って三本橋を渡り、プレシェーレン広場のある新市街へ移動することもできるが、時間に余裕があるなら少し大回りして、その先にあるハニーショップに立ち寄ってみよう。

  

大聖堂の正面扉 / ロッバ作の円形噴水と市庁舎 / ハチミツのギフトショップ「ハニーハウス」


豊かな自然に恵まれたスロヴェニアは、養蜂天国でもある。近年、その質の良さとリーズナブルな価格で、日本でも人気が高まっている。ハチミツのチョコレートやリキュールなどもあるので、お土産にも最適だ。余談だが日本では高価なプロポリスも、スロヴェニアでなら比較的安価で入手できる。こちらの方は薬局などで販売されている。

ハニーショップを出たら、Pod Trančo通りに架かる橋を渡り、プレチェニクが設計したリュブリャナ大学の図書館を目指してみよう。その近くのフランス革命広場には、ナポレオンに捧げられたモニュメントがある。

壁にのレリーフに描かれているのは
プレシェーレンが恋い焦がれた女性ユリア

リュブリャナ大学の図書館からVegova通りに戻ってコングレス広場を目指して歩いていくと、右手に見えてくるのがミュージック・ソサエティーの建物。入口に後期ルネサンス音楽のスロヴェニア人作曲家、ヤコブス・ガルスの胸像があるのですぐわかる。その向かいにあるのがリュブリャナ大学だ。

コングレス広場には1701年にハプスブルク家によって創設されたスロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団、リュブリャナ大学本部、チヴォリ公園などがある。
公園の奥には17世紀にリュブリャーナ司教の夏の別荘として建てられたチヴォリ城と呼ばれる邸宅がある。この建物は後にハプスブルク家の所有となり、その時現在のような新古典様式の建物に改築された。

コングレス広場周辺の散策が終わったら、プレシェーレン広場へ。

ライトアップされたフランシスコ教会

この広場には、スロヴェニアの国民的詩人フランツェ・プレシェーレンの銅像が建てられている。その後ろにいるのは、ギリシャ神話に登場する文芸の女神「ムーサ」だ。

ここに場所に来たら、モニュメントの前に立ってプレシェーレンの視線に注目してみて欲しい。その熱い眼差しは、広場から少し入った路地の壁にあるレリーフに注がれている。
このレリーフに描かれているのはユリア。プレシェーレンが結ばれることのないまま、死の直前まで恋い焦がれた女性だ。
それにしても、この構図を考えた人はスゴイ。プレシェーレンと同じ角度でこのレリーフを眺めていると、何やらこちらまで切なくなってくる(涙)

プレシェーレン広場には、スロヴェニアを代表する百貨店の建物をはじめ、興味深い建造物が集まっているが、中でも目を引くのがピンクの外壁が印象的な「フランシスコ教会」だ。
17世紀に建造されたこのバロック様式の教会には、フランチェスコ・ロッバが手がけた祭壇やマテイ・ラングスの天井画がある。天気が悪いと内部は昼間でも薄暗く、遠目からでは鮮明に見ることはできないが、ところどころに灯された薄明かりで幻想的な空間が広がっている。

プレシェーレン広場からユニオンホテルの横(Miklošičeva cesta)を通って少し先に行くと、右手にピンクを基調としたカラフルな建物が見えてくる。

カラフルな昔の協同銀行の建物

これは昔の協同銀行の建物で、地元では「インド大使館」の愛称で親しまれているのだとか。東洋人の感覚からすると「なぜこれがインドなのか・・・?」とちょっと頭を傾げてしまうが、建築物としてはかなり興味深い。

これから先は日程や時間に余裕があれば、ギャラリーや博物館などを訪れてみるのも良いが、プレシェーレン広場の周辺でショップやカフェ巡りをしてみるのも楽しい。

んっ?! 「カフェ・ロメオ」の通り向かいに「カフェ・ジュリエット」?

そういえば、スロヴェニアにもロメオとジュリエットがいたとか、いなかったとか・・・。
ここは「ラブな国の愛のある街」、やはり他にもロマンスが潜んでいそうだ。であれば、その恋愛跡巡りもできそうだ。
テーマはさまざま。リュブリャナで自分だけの散策ルートを楽しんでみてはいかがだろうか。
 
 

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