06. ブダペストを食べつくす! 〈ペスト編〉
ブダペストで新たな和食体験「NOBU」
2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された和食。その和食は近年、ヨーロッパでも大ブームとなっている。世界的に名の通った和食レストランと言えば、オーナーシェフの松久信幸(ノブ・マツヒサ)氏が、世界20ヶ国に30数店舗を展開する「NOBU」。パートナーの1人に、あのロバート・デニーロが名を連ねていることでもよく知られている。その「NOBU」が2010年の秋、中欧初の店舗としてオープンさせたのがブダペストであった。
「NOBU ブダペスト」があるのは、5ッ星ホテル〈ケンピンスキー・コルヴィナス〉の一角。約500平方メートルの和を意識した空間に、80のテーブル席と鮨カウンタ-、そして個室やバーエリア(56席)がある。また、店の入口にレストラン専用のレセプションが設けられるなど、ラグジュアリー感の漂う造りとなっている。営業は正午から。深夜0時から1時までラウンジバーもオープンしている。
この「NOBU」は、市内にある他の高級レストランと比較しても、値段設定はかなり高め。にも関わらず、連日多くの地元客で賑わうというのだから、日本人としては頭が下がる。取材した日も最初は人影もまばらだった店内が、店を出る頃にはあっと言う間にいっぱいになっていた。
さて、この日頂いたのはランチのお弁当(NOBU LUNCH BENTO BOX)。どんな内容かと言うと、おかずは弁当箱に入ったスズキの天ぷら、ベビーほうれん草のサラダ、鮭の照焼の3品。それにご飯、味噌汁、デザートが付いてなんと8,900フォリント(約3,500円)もする! お鮨が入ったお弁当(NOBU BENTO BOX)になると16,000フォリント(約6,200円)もするので、これにはさすがに絶句した。場所柄ビジネスでの利用も多いのだろうが、ブダペストの人は我々が予想する以上にお金持ちなのだろうか? いや、もしかしたら単に飽くなき探求心を持つ〈食道楽〉が多いのかも知れない。
日本も含めローカルの食事をこよなく愛する筆者は、日本を一旦飛び出たらプライベートでは和食を口にしない。大昔にヨーロッパのとある国で白米を出され、その時のバッサバサとした触感が未だ完全に記憶から消え去れず、トラウマとなっているのが一つの原因である。
ところが…である。頂いたご飯は意外にもふっくら。お味噌汁の味も悪くはない。天つゆ代わりの〈ハラペーニョのソース〉にはさすがに違和感を覚えたが、蓋を開けてみれば完食。ブダペストでの貴重な和食体験となった。
帰り際、後方のテーブルからほのかに漂ってきたトリュフの香りが、今もなお気になって仕方ない。あれは一体、どんな料理だったのだろうか? 皆さんも時には、こんな体験をしてみるのはいかがだろうか。
NOBU ブダペスト店 |
---|
次のページは「これぞ歴史に名を刻んだ名門レストランのサービス!」
【 クイック・ナビ 】
・ インデックス
・ 世界遺産ブダペスト街歩き
・ ハンガリー伝統の味覚
・ 市民の胃袋を支える中央市場
・ ブダペストのカフェ巡り
・ ブダペストを食べつくす (1)
・ ブダペストを食べつくす (2)
・ ブダペストの最新ホテル
・ シシィが愛したグドゥルー
・ ハンガリー王国の原点
・ ルネッサンスが花開いた王都
・ ハンガリー人の故郷を歩く
・ ラベンダーが香るバラトン湖
・ バラトンでアクティブな休日
・ バラトン湖周辺のワイナリー
・ パンノンハルマ大修道院
・ ハンガリーで湯めぐり
・ トカイワイン紀行 (1)
・ トカイワイン紀行 (2)
・ ハンガリーへのアクセス
【 エリア/スポット 】
・ ブダ王宮地区
・ ハンガリー国会議事堂
・ ブダペスト中央市場
・ ジェルボー(カフェ)
・ アレクサンドラ(カフェ)
・ ムーヴェース(カフェ)
・ カフェレストラン「ピエロ」
・ レストラン「エーミル」
・ レストラン「タンティ」
・ カフェ「ゲルローツィ」
・ レストラン「NOBU」
・ レストラン「グンデル」
・ アリアホテル
・ ホテル・モーメンツ
・ ザ・リッツ・カールトン
・ シシィ街道
・ グドゥルー宮殿
・ ラーザール馬術公園
・ エステルゴム
・ ヴィシェグラード
・ マーチャーシュ王宮
・ ホッロークー
・ ティハニ
・ フェルヴィデーク国立公園
・ ダヌビウス スパリゾート
・ LISZKAY
・ ビストロ・マールガ
・ ボック・ビストロ・バラトン
・ パンノンハルマ
・ 修道院図書館
・ セーチェニ温泉
・ ヘーヴィーズ温泉湖
・ 洞窟温泉
・ トカイ・ヘジャイヤ地域
・ ラーコーツィ・ピンツェ
・ ディスノークー・ピンツェ
・ アンドラーシ・レジデンツィア
・ マード(トカイ)
・ エルシュー・マーディ・ボルハーズ
・ ホテル「ボトリティス」
・ アスーハーズ
・ LOTポーランド航空
・ フェレンツ・リスト国際空港
【 取材協力 】
ハンガリー政府観光局
LOTポーランド航空