06. ブダペストを食べつくす! 〈ペスト編〉

掲載日 : 2016年06月02日

写真 : 筆者撮影

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NOBU

ケンピンスキーホテルと同じ建物にある日本料理レストラン「NOBU」



ブダペストで新たな和食体験「NOBU」

2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された和食。その和食は近年、ヨーロッパでも大ブームとなっている。
世界的に名の通った和食レストランと言えば、オーナーシェフの松久信幸(ノブ・マツヒサ)氏が、世界20ヶ国に30数店舗を展開する「NOBU」。パートナーの1人に、あのロバート・デニーロが名を連ねていることでもよく知られている。その「NOBU」が2010年の秋、中欧初の店舗としてオープンさせたのがブダペストであった。

「NOBU ブダペスト」があるのは、5ッ星ホテル〈ケンピンスキー・コルヴィナス〉の一角。約500平方メートルの和を意識した空間に、80のテーブル席と鮨カウンタ-、そして個室やバーエリア(56席)がある。また、店の入口にレストラン専用のレセプションが設けられるなど、ラグジュアリー感の漂う造りとなっている。営業は正午から。深夜0時から1時までラウンジバーもオープンしている。


弁当ボックス

ランチの弁当はなんと8,900フォリント!

「NOBU」が提供するのは、私たち日本人から見た純粋な和食ではなく、和をベースに欧米や松久氏が暮らした中南米のテイストを取り入れた、いわゆるフュージョン料理。全店で共通した特製メニューがあり、基本レシピが順守されている。それを踏まえた上で各地の文化に見合う料理が、自由に考案できるようになっているのだという。また、新店舗のオープンに際しては必ず松久氏が現地に赴き、シェフの研修に立ち会っているそうだ。

この「NOBU」は、市内にある他の高級レストランと比較しても、値段設定はかなり高め。にも関わらず、連日多くの地元客で賑わうというのだから、日本人としては頭が下がる。取材した日も最初は人影もまばらだった店内が、店を出る頃にはあっと言う間にいっぱいになっていた。

さて、この日頂いたのはランチのお弁当(NOBU LUNCH BENTO BOX)。どんな内容かと言うと、おかずは弁当箱に入ったスズキの天ぷら、ベビーほうれん草のサラダ、鮭の照焼の3品。それにご飯、味噌汁、デザートが付いてなんと8,900フォリント(約3,500円)もする! お鮨が入ったお弁当(NOBU BENTO BOX)になると16,000フォリント(約6,200円)もするので、これにはさすがに絶句した。場所柄ビジネスでの利用も多いのだろうが、ブダペストの人は我々が予想する以上にお金持ちなのだろうか? いや、もしかしたら単に飽くなき探求心を持つ〈食道楽〉が多いのかも知れない。

日本も含めローカルの食事をこよなく愛する筆者は、日本を一旦飛び出たらプライベートでは和食を口にしない。大昔にヨーロッパのとある国で白米を出され、その時のバッサバサとした触感が未だ完全に記憶から消え去れず、トラウマとなっているのが一つの原因である。

ところが…である。頂いたご飯は意外にもふっくら。お味噌汁の味も悪くはない。天つゆ代わりの〈ハラペーニョのソース〉にはさすがに違和感を覚えたが、蓋を開けてみれば完食。ブダペストでの貴重な和食体験となった。

帰り際、後方のテーブルからほのかに漂ってきたトリュフの香りが、今もなお気になって仕方ない。あれは一体、どんな料理だったのだろうか? 皆さんも時には、こんな体験をしてみるのはいかがだろうか。
 


NOBUの店内  NOBUの店内

左:テーブル席の奥には鮨カウンターもある
右:入口近くにはバーカウンターもある



NOBU ブダペスト店
NOBU Budapest

http://www.noburestaurants.com/budapest

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