小さな大国、スロヴェニア
スロヴェニアが生んだ二人の偉大な芸術家、
プレチェニクとプレシェーレン
スロヴェニア、特にリュブリャナへの理解を深めたいのなら、頭の片隅に入れておきたいのがスロヴェニアが生んだ二人の偉大な芸術家、ヨジェ・プレチェニクとフランツェ・プレシェーレンの存在だ。
ヨジェ・プレチェニクは、オーストリア=ハンガリー帝国統治時代のリュブリャーナ生まれた建築家兼シビル・アーキテクト(都市設計家)。オットー・ワーグナーに学び、ウィーン、ベオグラード、プラハでも活躍した。母国、スロヴェニアでは、リュブリャナに数多くの作品を残している。
その代表作とも言えるのが、街の中心部にある「三本橋」や、欄干に竜の像が配された「竜の橋」そして「スロヴェニア議事堂」だ。また、構想から100年経った2010年に完成した「肉屋の橋」も、プレチェニクが設計したものだ。後にプレチェニクはその功績が讃えられ、500トラール紙幣の肖像になった。
一方、プレシェーレン は、19世紀に登場したスロヴェニアの国民的詩人。ヨーロッパにおけるロマン派の最良の作家の一人で、祖国独立にも大きな影響を与えた。『陽が昇るところ、戦いはこの夜から消え、誰もが自由な同胞となり、境を共にするものは、鬼ではなく、隣人となる。その日を待つ民、すべて久しかれ』と書かれた詩は、スロベニアの国家の歌詞に採用されている。
プレシェーレンの命日にあたる2月8日は、「プレシェーレンの日」もしくは「スロヴェニア文化の日」と呼ばれ、スロヴェニアの祝日になっている。この日は親しい友人や仲間が集い朗読会を開き、プレシェーレンの功績を称えている。
その国民の敬愛を象徴するように、リュブリャナの中心にあるプレシェーレン広場には、プレシェーレンと彼のムーサの銅像が建てられている。また、彼の肖像は、現在2ユーロコインのデザインにもなっている。
【取材協力】
スロヴェニア政府観光局
トルコ航空