小さな大国、スロヴェニア
欧州の新たなエコ大国
豊かな自然に恵まれたスロヴェニア。その緑の多さは、空港からリュブリャナ市街へと向かう車窓からも驚かされる。
そんなスロヴェニアで近年、積極的な取り組みがなされているのが環境対策だ。2011年には、欧州環境機関の本部がリュブリャナに移された。
中でも特に先進的なのがゴミ対策だ。ゴミは5つに分別して生ゴミは堆肥に、それ以外はすべて埋め立てる。焼却は一切しない。ゴミ箱も地下4メートルまで掘り下げてあるので、悪臭を放つことはない。
また、温室効果ガス排出量削減への取り組みにも目を見張るものがある。昔、スロヴェニアの最大手スーパー「メルカートル」のやり手社長だったヤンコヴィッチ市長は、その発想と行動力がすごい。
それまで観光バスが乗り降りしていたコングレス広場(チヴォリ公園の下)に巨大な駐車場を建設し、リュブリャナ旧市街地への車輌の立ち入りは厳しく制限した。最近では通勤時間の分散化や、トラムの復活計画などを進めているという。
そのお陰もあってか、車輌が通らないリュブリャナの市街地は、観光するにも非常に歩きやすい。ショップをあちこち見ながら歩いても、車に引かれる心配はまずない。子供連れでも安心して歩けるのは大きな魅力だ。
それとほぼ同時に、リュブリャナ川沿いにも歩道が整備された。「こんな美しい遊歩道があるのだから」と、自らすすんで歩きたくさせるあたりも心憎い。
【取材協力】
スロヴェニア政府観光局
トルコ航空