ヨーロッパに現存する唯一の洞窟城、プレドヤムスキ城

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エラスムス伝説が残るプレドヤムスキ城



ポストイナ鍾乳洞から直線にして約9キロ、チロルの村を想像させるようなのどかな田園風景が広がる場所に、岩に飲み込まれたような「プレドヤムスキ城」がある。背後の岩山の高さは120メートル。ヨーロッパに現存する唯一の洞窟城だ。

城の建築が始まったのは12世紀の中頃。城は最初に左部分が建築され、ルネッサンス期に中央部分、そして最後の右部分が造られ、完成までに4世紀もかかった。
城の内部には秘密の通路がたくさんあり、長期の篭城が可能だったことから、16世紀にはハプスブルク家の兵士が守りに徹する目的で使用された。内部にはダイニングルームや、礼拝堂、拷問室などが残され、当時の生活が垣間見られる品々と共に一般に公開されている。

  

チロルの村を想像させる穏やかな風景 / 城に打ち込まれた石弾の数々 / エラスムスが埋められたという教会横のライムの樹



城の伝説によると、ハプスブルク帝国のフリードリッヒ3世が統治していた15世紀、大泥棒のエラスムスが要人を殺しこの城に身を潜めた。居場所を突き止めたハプスブルク家の軍隊が周囲を取り囲んで食糧攻めにしようとするが、洞窟を通って食糧の補給を受けたエラスムスは6か月以上耐えた。だが、最後には使用人の裏切りで命を落としてしまったそうだ。そして、そのエラスムスの遺体は、村の教会横にあるライムの樹の下に埋められたのだという。

さて、このエムラムスは城のどこで、一体どんな裏切りにあって命を落としたというのか!その意外な落とし穴とは!?

このプレドヤムスキ城には、まるでディズニーリゾートのキャストのような陽気なガイドのお姉さんがいるので、城を訪れたらぜひ尋ねてみて欲しい。また、このプレドヤムスキ城では夏に、16世紀に行われた騎士道大会の文献などに基づいた「エラスムス騎士道大会」も開催されている。興味のある人は、その開催時期に合わせて城を訪れてみるのも良いだろう。


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