鉱山とボビンレースの町、イドリヤ
伝統の技、ボビンレース
イドリアレースとも呼ばれる、このボビンレースが文献に登場するのは1696年のこと。独自の枝法やデザインが生み出され、鉱山が閉鎖された後も盛んに行われていた。
空間を大きくとった絵画的な美しさを持つ作品の数々は、1533年に建てられたイドリア城内の博物館に展示されており、中にはエレガントなコスチュームやチトー大統領夫人に贈られたテーブルクロスなども含まれている。
こうした伝統は今も受け継がれており、100年以上前にヨーロッパ初となるレース編みの学校が設立された。このイドリア・レーススクールは1974年以降セカンド・スクールとして位置づけられ、午後になるとボビンレースを学びにやって来る子供たちの姿も見られる。レース学校の先生の話によると、子供の方がより自由な発想で個性豊かな作品が多いのだそうだ。
イドリヤのマナーハウスに泊まる
町の中心から少し離れた丘の上にある「ケンドヴ・ドゥヴォレッツ」は、1377年に建てられたケンドヴ家の屋敷を改装したマナーハウスで、ルレ・エ・シャトーのメンバーにもなっている。
客室はスイート4室を含む全7室。イドリアの伝統料理を提供するレストランも営業している。夏には木立に囲まれたテラスや中庭で、優雅に食事を楽しむことができる。小さなホテルなので、レストランを利用する際には事前の問い合わせが望ましい。
イドリヤ伝統の味「イドリスキ・ジュリクロフィ」
柔らかいパスタ生地から作られたジュリクロフィ(ラビオリ)には、ジャガイモ、玉ネギ、油脂、香辛料が詰められていて、これに雄羊や野ウサギの肉から作られた「バカルツァ」ソ ースに絡めて食す。
イドリヤへ行ったら、ぜひ味わってみて欲しい。
【取材協力】
スロヴェニア政府観光局
トルコ航空